インビザラインで抜歯をするメリットや抜歯が必要なケースを解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「インビザラインで抜歯が必要なことがあるって本当?」「インビザラインで抜歯したときのメリットやデメリットは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
今回は、インビザラインで抜歯を必要とするケースと、抜歯のメリット・デメリットについて詳しく解説します。抜歯の費用もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインで抜歯をするメリット
インビザラインで抜歯をするメリットは、以下のとおりです。
歯を並べるスペースを確保できる
歯並びが乱れる原因の多くは、顎が小さい、歯が大きいなど、歯を並べるためのスペースが十分にないことです。そのため、抜歯をすることがあります。
抜歯をすれば十分なスペースを作れるので、残っている歯をキレイに並べることができます。
インビザラインで治療できる幅が広がる
インビザラインは、従来のワイヤー矯正よりも治療できる症例の幅が狭いです。例えば、歯を大きく移動させる必要がある重度の叢生は治療できないとされています。
抜歯をして十分なスペースを確保できれば、インビザラインでも治療できる可能性が高くなるでしょう。
ただし、抜歯をすれば必ずインビザラインで矯正可能になるわけではありません。担当の歯科医師とよく相談してください。
口もとが出っ張りにくくなる
抜歯をおこなわずにインビザライン矯正を進めると、スペースが不足している部分に無理やりすべての歯を収めることになります。前歯が前方に押し出されて、出っ歯のようになる可能性があるでしょう。
口もとが出っ張ると、横顔の美しさであるEライン(エステティックライン)も崩れます。
抜歯をおこなうと十分なスペースを確保できるので、理想的なアーチに歯を並べることができるでしょう。
抜歯したところのケアがしやすい
インビザラインで抜歯をおこなうと、マウスピースを取り外して抜歯部分のケアができます。清潔に保ちやすいので、トラブルが起こりにくいでしょう。
歯茎が下がるのを防げる
歯を大きく移動させると、歯茎が下がることがあります。本来の位置から大きくずれた歯を歯列に収めようとすると、大きな力をかけなければならないので歯茎に負担がかかるのです。
歯茎が下がるリスクのほうが高いと判断された場合、歯を残して無理に並べるよりも抜歯したほうがよいかもしれません。
インビザラインで抜歯をするデメリット
インビザライン矯正で抜歯をするメリットは多いですが、やはりデメリットもあります。インビザラインで抜歯をするデメリットは、以下のとおりです。
健康な歯を失う
インビザラインでは、虫歯や歯周病と違い、健康な歯を抜歯することになります。抜歯した歯は二度と生えてこないので、後悔のないように歯科医師とよく相談して納得したうえで抜歯をおこないましょう。
腫れたり痛みがでたりする
抜歯をおこなった後は、腫れや痛みが出る可能性があります。抜歯後3日目あたりが腫れや痛みが最も出やすく、抜歯後1週間ほどで落ち着くでしょう。
抜歯後は、痛み止めを服用すれば痛みが落ち着くケースが多いので、過度に心配する必要はありません。
治療期間が長くなる可能性がある
インビザライン矯正で抜歯をおこなうと、できたスペースの分歯を移動させる必要があります。そのため、抜歯をしない症例と比較すると治療期間が長くなる傾向があります。
インビザラインのマウスピースは1枚あたり0.25mmほどしか歯を移動させられません。1週間ごとにマウスピースを交換しても、1ヶ月で1mmしか移動しないのです。
抜歯で得られるスペースは1本あたり7〜8mmほどなので、症例によっては治療期間が長くなるでしょう。
抜歯したスペースが埋まらない可能性がある
インビザラインで抜歯をおこなったとき、そのスペースを埋めるために他の歯を移動させます。
しかし、歯が移動しきれず、スペースが埋まらない可能性があります。スペースが空いたままだと、隣の歯が倒れ込んで歯列が乱れたり、見た目が悪くなったりなどの問題が生じます。
食事しにくい
インビザライン矯正のために抜歯をおこなうと、空いたスペースが埋まるまで食べ物が噛みにくくなるかもしれません。食べカスが挟まりやすくなるため、口腔ケアにも気を遣う必要があるでしょう。
インビザラインで抜歯が必要なケース
インビザライン矯正のための抜歯は、健康な歯を抜くケースがほとんどです。そのため、抜歯するかどうか慎重に判断する必要があるでしょう。
担当する歯科医師によっては、抜歯せずに歯列矯正可能と判断する場合もあります。インビザラインで抜歯が必要になる代表的な症例をご紹介します。
前歯が突出している
歯列のアーチが狭く前歯が突出していると、出っ歯の印象が強くなります。抜歯をして突出している前歯を後ろ側へ移動させると、口もとのバランスが良くなるでしょう。
反対咬合
上の前歯よりも下の前歯が前方に出ている状態を、反対咬合といいます。上下の噛み合わせが反対の状態で、受け口とも呼ばれています。
下の前歯を後ろへ移動するためのスペースが必要なので、抜歯をおこないます。
親知らずが歯並びに悪影響を与えている
親知らずは、横向きや斜めに生えて他の歯を押して、歯並びに悪影響を与えることがあります。矯正中は問題なくても、歯列矯正後に親知らずの影響で歯列が乱れる可能性があります。
そのため、親知らずはインビザライン矯正前に抜歯をするケースが多いでしょう。
インビザラインで抜歯が不要なケース
インビザライン矯正で抜歯が不要なケースは、以下のとおりです。
IPRでスペースを確保できる
IPRはディスキングとも呼ばれていて、歯の側面をわずかにヤスリで削ってスペースを確保する方法です。IPRで歯を並べるためのスペースを確保できれば、抜歯は必要ありません。
ただし、IPRでは大きなスペースは確保できません。
歯列の幅を広げられる
歯列の幅を広げると、歯と歯のスキマが少しずつ開きます。そのスキマを利用して歯を移動できれば、抜歯の必要はありません。
ただし、重度の叢生の場合、歯を移動させるためには広いスペースが必要になります。大人の歯列はあまり大きく広がらないので、抜歯する可能性が高いでしょう。
奥歯を後ろへ移動させられる
奥歯を後ろへ移動させることができれば、移動した分のスペースで歯列を整えることができます。
ただし、歯は根っこを支える歯槽骨がある範囲内でしか移動できません。そのため、顎が小さいなど、奥歯の後方に歯槽骨がなければ歯は移動できません。
インビザラインで抜歯をするタイミング
抜歯をおこなうタイミングは、歯を動かし始める前が一般的です。抜歯してできたスペースを利用して歯を動かせるからです。
口内を精密に検査した上で、患者さまに合ったタイミングで抜歯を計画します。
抜歯をした場合は治療期間が長くなる?
インビザライン矯正で抜歯をした場合、必ずしも治療期間が長くなるわけではありません。歯列の状態によっては、抜歯をおこなうと治療期間が短くなるケースもあります。
ただし、抜歯した部分のスペースを埋めるには大きく歯を移動させる必要があります。患者さまの歯列の状態によっては、抜歯をすると治療期間が長くなるケースもあるでしょう。
抜歯の費用
インビザライン矯正で抜歯をおこなうと、1本につき5,000~1万円ほどかかるでしょう。
虫歯の治療などで行う抜歯とは異なり、矯正治療における抜歯には保険が適用されません。歯科医院によって費用は異なります。
まとめ
インビザラインで抜歯をおこなうと、スペースをしっかり確保できるため歯を移動させやすくなります。また、親知らずが斜めや横向きで生えているときにも、インビザライン矯正の前に抜歯するケースが多いでしょう。
ただし、インビザラインでの抜歯は健康な歯を抜くケースがほとんどです。歯科医師とよく相談してから、抜歯をおこなうようにしましょう。
インビザライン治療を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
子どものすきっ歯は治療すべき?すきっ歯の原因と放置するリスク
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
すきっ歯は目立つため、歯並びが悪くなるのではないか、このままにしておいていいのかと悩む方も少なくないでしょう。お子さまの発育状況やすきっ歯になってしまった原因によって、対応は異なります。
今回は、すきっ歯になる原因や放置した場合のリスク、歯科医院で行う治療法などを、ケースごとに解説します。
すきっ歯とは?
すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間ができている状態のことです。歯科用語では空隙歯列(くうげきしれつ)と言います。
すきっ歯は、乳歯と永久歯が混在する時期に生じやすいです。すべての歯が永久歯に生え変わると、隙間がなくなることも少なくありません。
真ん中の歯に3mm以上隙間があるケースや、犬歯が生えた後も隙間が閉じないケースでは、矯正治療が必要になることがあります。
子どもがすきっ歯になる原因
乳歯の段階では、すきっ歯でも基本的には問題ありません。乳歯よりも永久歯は大きいため、永久歯に生え変わることで隙間はなくなるからです。
すべての歯が乳歯なのに隙間なくきれいに並んでいると、永久歯になった時に歯が歯並ぶスペースがなくなる可能性があります。そのため、将来的に歯並びが乱れてしまう可能性があります。
乳歯と永久歯がある混合歯列期でも、すきっ歯になることは珍しくありません。一時期的なものであるケースが多く、生え変わりが進めば改善することが多いです。
しかし、下記のような原因から、永久歯になってもすきっ歯が改善しないことがあります。
3歳以降も指しゃぶりを頻繁にしている
指しゃぶりは、生後2〜4ヶ月頃から始まる行為です。指しゃぶりをすると前歯の裏側に力が加えられるため、長い間続けているとすきっ歯の原因になります。
最初は遊びとして始まり、幼児においては気持ちを落ち着かせるためにすることが多いです。そのため、強引にやめさせることは難しいでしょう。
3歳頃も頻繁に指しゃぶりをしている場合は、改善したほうがよいかもしれません。他に気を紛らわせる遊びをしたり、指しゃぶりをしなかったことを褒めたりして、徐々に頻度を減らしてください。
3歳以降でも、¥眠る前だけ行っているなど、頻度が高くなければ無理にやめさせる必要はありません。禁止されたストレスから、親に隠れて指しゃぶりをするなど別の問題につながる可能性もあるでしょう。
徐々に頻度が減っていれば過度に心配する必要はないので、お子さまに合わせて改善できるよう促してあげてください。
口呼吸をしている
口周りの成長にとって、鼻呼吸をすることは大切です。鼻呼吸の場合は通常口を閉じているため、口周りの筋肉のバランスが整いやすいためです。上顎に舌がついた状態になるので、顎に自然な力がかかり、顎の成長が促されます。
口呼吸をしていると口が開いていることが多くなり、舌が歯にあたって力をかけます。出っ歯だけでなく、すきっ歯の原因にもなり得るでしょう。
歯と顎の大きさのバランスが悪い
顎の大きさに対して歯が小さい場合は、すきっ歯になることがあります。顎が小さい場合、歯が並びきらないので歯並びが乱れるでしょう。どちらの場合も矯正治療が必要です。
生えてくるべき歯が生えない
生えてくるべき歯が生えない、あるいは、元々歯の本数が不足している先天性欠損の場合は、すきっ歯になりやすいです。歯の本数が少なくても顎のサイズは変わらないので、隙間が生じるのです。
埋没した過剰歯がある
本来の本数以上に存在している歯を過剰歯といいますが、それらは顎の骨に埋まっていることがあります。歯が左右に押し開かれて、すきっ歯の原因になります。
噛み合わせが深い
通常の噛み合わせでは、上の歯が下の歯を軽く覆っている状態になります。噛み合わせが深く、下の歯がほとんど見えないような状態になっていると、すきっ歯になりやすいです。
奥歯を失ってそのままにしている
虫歯などによって奥歯を失った時にそのままにしておくと、周辺の歯が自然と後ろへと移動してしまいます。そのため、前歯部分の隙間が大きくなる可能性が高いでしょう。
上唇小帯の異常
歯茎と上の唇をつなぐ筋(上唇小帯)も、すきっ歯の原因になり得ます。通常よりも長い場合や厚い場合、歯と歯の間に入り込むのですきっ歯になるのです。
子どものすきっ歯を放置するリスク
子どものすきっ歯を放置すると、下記のとおりさまざまなデメリットがあります。
目立つため見た目にコンプレックスを感じる
特に前歯のすきっ歯の場合は、口を開けるとすぐに目につきます。コンプレックスに感じ、人と会話することに消極的になる可能性があるでしょう。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
どれくらいの隙間があるかにもよりますが、歯と歯の間に隙間があると、そこに食べかすが挟まりやすくなります。歯磨きしても除去しにくいこともあるでしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを頻繁に使わない場合は、不衛生な状態が長く続くので虫歯や歯周病のリスクが高まります。
発音しにくくなる
すきっ歯の方の場合、歯と歯の隙間から息がもれてしまいます。その影響から、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になるケースがあります。
噛み合わせが悪くなる
すきっ歯の上おたいでは、噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。しっかりと物を噛めなくなるため、胃腸に負担がかかり体調不良にもつながります。
子どものすきっ歯は治療すべき?
子どものすきっ歯は、成長段階によって治療するかどうか慎重に検討しなければなりません。
すべて乳歯の場合は、成長と共に乳歯が抜けて大きな永久歯が生えてきます。乳歯のみの段階で歯と歯の隙間があっても、永久歯になった時に隙間が埋まる可能性は高いです。
前歯などがすきっ歯だと目立つので気になるかもしれませんが、こうしたケースでは治療は行われないことが多いでしょう。
すでに永久歯に生え変わっているにも関わらずすきっ歯である場合は、治療したほうがいいかもしれません。
子どものすきっ歯の治療法
すきっ歯の治療は、原因によって以下のように異なります。
永久歯が小さいケース
永久歯のサイズが小さいことですきっ歯になっている場合は、矯正治療やレジンで隙間を埋める、被せ物をするといった治療が行われます。レジンは手軽な方法ですが、経年劣化しやすい素材のため、早いうちに再治療が必要となるでしょう。
被せ物を装着する場合は、健康な歯を削る必要があります。
歯の本数が少ないケース
歯の本数が少ないためにすきっ歯になっている場合は、矯正治療を行って隙間を埋めた後、インプラントやブリッジ、義歯などで歯を補うことになります。
指しゃぶりや口呼吸など口周りの癖が原因のケース
指しゃぶりや口呼吸など、すきっ歯につながる口周りの癖が原因の場合は、それらを改善する必要があります。歯科医院ではMFT(口腔筋機能訓練)を行っているので、まずはトレーニングを受けましょう。その後に矯正治療を行い、歯並びを整えます。
埋没した過剰歯があるケース
歯茎の中にある過剰歯によってすきっ歯になっている場合は、過剰歯を抜歯します。その後に矯正治療を行って、歯並びを整えます。
噛み合わせが悪いことが原因のケース
噛み合わせが悪いことによってすきっ歯になった場合は、矯正治療によって改善します。噛み合わせの状況に応じて矯正装置を選択するので、まずは歯科医院に相談しましょう。
上唇小帯が原因のケース
上唇小帯が原因でも成長と共に改善することがありますが、永久歯が生えそろっても改善しない場合もあります。その場合は上唇小帯を切除した後に、矯正治療を行います。
まとめ
子どものすきっ歯は、子どもの成長の段階によって治療するかどうかが異なります。
乳歯のみの状態や、乳歯と永久歯が混ざっている状態では、大きな永久歯に生え変わることによって自然とすきっ歯が改善されることが少なくありません。そのため、ほとんどの場合は経過観察となります。
すきっ歯は、指しゃぶりや口呼吸などの口周りの悪い癖、上唇小帯の異常、過剰歯や歯の本数が少ないケースで生じていることもあります。その場合は、永久歯に生え変わった後もすきっ歯は改善されないので治療が必要です。
すきっ歯を放置しておくと、見た目が悪いだけではなく、虫歯や歯周病、噛み合わせが悪くなる、発音に支障がでるといった悪影響があります。
すきっ歯の治療を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
インビザライン矯正で歯を削るのはなぜ?メリットや削る方法も解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザライン矯正を行う際に、なぜ歯を削るのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
インビザラインに限らず、矯正治療とは歯を正しい位置に並べ、審美面と機能面の改善をはかるものです。矯正治療は歯を動かす治療なのに、歯を削ることに疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
歯を削る作業は、全ての方に必要なわけではありません。顎のスペースの関係によっては、必要となるケースがあります。
今回は、インビザラインでなぜ歯を削る必要があるのか解説します。削るメリット・デメリットについてもご紹介するので、参考にしてください。
インビザライン矯正で歯を削るのはなぜ?
インビザライン矯正では、必ずしも歯を削るわけではありません。歯を削る理由は、以下の通りです。
歯を並べるスペースを確保するため
歯並びが乱れる原因の多くは、顎に対して歯が大きく、綺麗に並ぶスペースが足りないことです。歯を削って隙間をしっかりと設けて、あいた場所に歯をきれいに並べることで歯並びを改善できるでしょう。
子供の場合は、骨の成長を利用して顎の幅を広げてスペースを確保できる可能性もあります。
しかし、大人になって顎の成長が止まると、顎の大きさを変えることは難しくなります。そのため、歯を削ってスペースを確保するのです。
顎のスペースがないことで起こる出っ歯や叢生などでは、歯を削ることが多いです。
ブラックトライアングル解消のため
歯の根元付近に、歯と歯、歯肉の三点を頂点としたブラックトライアングルという隙間ができることがあります。これを埋めたい時に、歯を削ることがあります。
歯は根本に向かって細くなっているので、歯の側面を削って直線にして寄せることで、隙間が埋まってブラックトライアングルの改善につながります。
抜歯を避けるため
歯を並べるスペースを確保するためには、抜歯という選択肢もあります。
しかし、健康な歯は残したいと思う方が多いでしょう。また、年齢が進むにしたがって、口腔内に何本歯が残っているかは健康の指標にもなります。
抜歯を避けるためにも、歯の左右を少しずつ削ってスペースを確保します。
バランスを整えるため
歯を並べるスペースを設けること以外でも、歯の形やバランスが悪い時などに削って調整することがあります。少し左右差がある場合などは、歯を削ることでバランスを整えられるでしょう。
インビザライン矯正で歯を削るメリットとは?
インビザライン矯正で歯を削るメリットは、以下のとおりです。
後戻りしにくくなる
充分なスペースを確保せずに歯を並べると、後戻りのリスクが高くなります。歯自体が押し合ってしまい、前や後ろに押し出される歯が出てくるためです。
歯を削って十分なスペースを確保することで、無理なく歯を並べられるので後戻りが起こりにくくなります。
歯がきれいに並ぶ
歯を削ると、歯のバランスを整えながら並べられるため、歯がきれいに並びやすくなります。足りないスペースに無理に歯を並べるよりも、ある程度自由に並べられたほうがきれいに仕上がるでしょう。
抜歯を回避できる可能性が上がる
抜歯をしなくてよいなら、歯は残したほうがいいとされています。矯正治療において歯を削る時は、何本もの歯の側面を少しずつ削って必要なスペースを確保します。
抜歯でなければ得られないスペース量もありますが、歯を削ることで抜歯を回避できる可能性が上がります。
インビザライン矯正で歯を削るデメリットとは?
メリットもありますが、歯を削ることには同時にデメリットもあります。インビザライン矯正で歯を削るデメリットは、以下のとおりです。
健全な歯を削らなくてはならない
インビザライン矯正で歯を削る時は、健康な歯でも削らなくてはなりません。削る量はごくわずかなので、痛む・しみる症状が出ることはほとんどないとされています。
しかし、削ることに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
痛みが出ることがある
インビザライン矯正で削る歯の量は、一本当たり0.25mmというわずかな量です。上述しましたが、痛みやしみを感じることはほとんどありません。
歯の寿命が縮まったり、虫歯のリスクが上がったりすることも基本的にないと言っていいでしょう。
しかし、エナメル質の表面を削るため、知覚過敏の症状が出るリスクが上がります。あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、元々知覚過敏が起きやすい方、起きやすい歯の場合は、気を付ける必要があります。
削れる量には限界がある
インビザライン矯正で削る歯の量は、ある程度決まっています。エナメル質の厚さは1.5mm~2mm程度のため、ダメージを与えないとされる10分の1程度の厚みを削り取ります。
あまり多く削ってしまうと痛む・しみる症状が出たり、虫歯のリスクが高まったりするため、削れる量には限界があるのです。
また、抜歯と違い、一気に大きなスペースを得られるわけではありません。口腔内の状態によっては、歯を削って無理に矯正を進めるのではなく、抜歯を選んだほうが良いケースもあります。
インビザライン矯正では必ず歯を削るの?
インビザライン矯正では、必ずしも歯を削るわけではありません。歯を並べるスペースが十分にある場合や、削るだけでは十分なスペースを確保できない場合も、削る処置は選択されません。
症例においては、叢生や歯性の上顎前突(出っ歯)で選択されることが多いです。空隙歯列(すきっ歯)など、もともとスペースがある症例では必要ありません。
歯を削るのはあくまで必要な場合だけです。
歯を削る方法
インビザライン矯正で歯を削る方法を、治療の流れとともに確認しましょう。
カウンセリング
まずは、カウンセリングを受けます。簡易的に歯の状態を確認したり、理想の歯並びや現在のお悩みについてお伺いします。
治療に関する疑問などがある場合は、遠慮なく質問してください。
精密検査・口腔内スキャン
レントゲン撮影やCT検査などを行い、口内の状態を正確に把握します。虫歯や歯周病がないかなども確認し、必要に応じて治療します。
問題なければ、歯型を採取するために口腔内をスキャンします。
治療計画の立案
検査で得た情報をもとに、治療計画を立てます。インビザラインでは、専用のシミュレーションソフトを使用して、治療過程の実際の歯の動きを3Dで確認できます。
この段階で、治療期間の目安などがわかることが多いです。歯を削る必要がある場合も、治療計画を立てた時点でどの歯を何mm削る必要があるかまで詳しく判明するでしょう。削る量は、前歯は0.25mm程度、奥歯は0.5mm程度が一般的です。
マウスピースの作成
治療計画に問題がなければ、マウスピースを作成します。1ヶ月ほど経ってマウスピースが完成したら、治療を開始します。
歯を削って治療開始
マウスピースの装着を始める前に、歯を削ります。細く柔らかい紙やすりのようなものを歯の間に入れ、少しずつ削ります。歯間の幅がある程度広がったら、専用の細いバーを使ってさらに間を広げます。
歯を削る処置が完了したら、インビザライン矯正を開始します。
経過観察
治療中は、定期的に通院する必要があります。計画どおりに治療が進んでいるか、虫歯や歯周病が発生していないか、マウスピースに不具合が起きていないかなどを確認するためです。
保定期間
歯の移動が完了したら、歯の位置を固定する保定期間に移ります。矯正後の歯や周辺組織は不安定な状態なので、何も装着せずに過ごすと後戻りが起こります。
リテーナーを装着して、後戻りを防ぎましょう。保定期間は、歯の移動にかかった期間と同程度とする歯科医院が多いです。
まとめ
インビザライン治療では、顎のスペースが足りない時や、歯のバランスを整える時などに歯の側面を削ることがあります。歯の側面を削る処置を行うと、歯がきれいに並ぶ、抜歯を避けられる、後戻りしにくくなるなどのメリットがあります。
歯を削ると聞くと不安に思うかもしれませんが、インビザライン治療では必ず歯を削るわけではありません。スペースの確保やバランスの調整などの理由で、歯科医師が必要と認めた時のみです。
インビザライン矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
マウスピースを清潔に保つための正しい洗い方と注意点!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
マウスピースは、歯列矯正などに用いられる矯正装置です。歯や口腔内の健康を維持するために重要な役割を果たしますが、正しく洗わないと汚れが溜まり、口腔内のトラブルや矯正の妨げになる可能性があります。
「マウスピースはどのように洗えばいいの?」「マウスピースはどれくらいの頻度で洗えばいいの?」など疑問をおもちの方もいるでしょう。
本記事では、マウスピースを清潔に保つための正しい洗い方や注意点、洗う頻度について解説します。マウスピース矯正中の方の参考になれば幸いです。
マウスピースを洗わないで使用し続けるリスク
マウスピースは長時間口腔内に直接装着するプラスチックでできた装置です。口の中にはさまざまな雑菌が繁殖しているため、洗わないで使用するとマウスピースが菌や汚れの温床になります。マウスピースを洗わないで使用し続けると非常に不衛生です。
マウスピースを洗わないで使用し続けた場合は、以下のようなリスクが生じます。
虫歯や歯周病の原因になる
マウスピースを洗わずに使用し続けると細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因になります。マウスピースは歯に密着させて使用する装置であり、マウスピースに細菌が付着していると繁殖して虫歯や歯周病の原因となるのです。
マウスピース矯正中に虫歯が生じた場合は、矯正を一時中断する場合も珍しくありません。計画通りに治療を行うためにも、必ずマウスピースを洗浄しましょう。
口臭の原因になる
マウスピースを洗わないと、口臭の原因にもなります。マウスピースを洗浄しないと食べかすや汚れが蓄積します。マウスピースに付着した食べかすを放置すると、腐敗してにおいを放つことがあるのです。
特にプラスチック製のマウスピースにはにおいを吸着する性質があります。マウスピースの洗浄を欠かさずに行い、においの付着を防ぎましょう。
マウスピースが変色する
マウスピースを洗わずに使用し続けると、マウスピースが変色することもあります。特に、食事のあとにマウスピースを洗わずにそのまま使用すると、食べ物の色素が付着しやすいです。
マウスピース矯正のメリットとして、透明で目立ちづらい点が挙げられますが、洗浄を怠るとメリットが損なわれます。
マウスピースが装着できなくなる
マウスピースを洗わずに使用し続けると、マウスピースが装着できなくなることもあるでしょう。
マウスピースを洗わないと歯垢が付着しやすくなります。歯垢とは白くネバネバした細菌の固まりです。歯垢が石灰化して歯磨きで落とせなくなったものを歯石と呼びます。マウスピースに歯垢が付着した状態を放置すると歯石になる可能性もあるでしょう。
歯石が歯やマウスピースに付着すると、マウスピースがフィットしづらくなることもあります。マウスピースは1人ひとりの歯並びに合わせて精密に作られているため、少しの歯石でもフィット感が損なわれ、正しく装着できなくなる可能性は十分にあるでしょう。
マウスピースの洗浄を怠ると、歯科矯正の治療計画に悪影響を及ぼすことがあるのです。
マウスピースの正しい洗い方
前述した通り、マウスピースの洗浄を怠ると様々なリスクが生じます。
以下ではマウスピースの正しい洗い方について解説します。正しい洗い方を知り、取り入れましょう。
水で洗浄する
マウスピースを取り外したら水で洗浄しましょう。時間が経過すると汚れが固まり洗浄しづらくなるため、食事などで取り外した際に洗うとよいでしょう。
洗い方としては、まず水道水で洗い流します。洗うときは水またはぬるま湯を使用してください。目に見える汚れがある場合は、指や柔らかめの歯ブラシで優しくこすって落とします。マウスピースを外すたびに、なるべく早く水で洗浄しましょう。
マウスピース専用の洗浄剤を使用する
マウスピース専用の洗浄剤を使用すると、目に見えない細かな汚れや細菌も落とすことができます。マウスピース専用の洗浄剤には殺菌効果や消臭効果もあり、マウスピースに関するトラブルを包括的に解消できるでしょう。
一般的なマウスピースの洗浄剤は「つけ置きタイプ」です。水やぬるま湯に洗浄剤を入れて、マウスピースをつけ置きするだけで洗浄できます。使用後はしっかりと流水で洗浄剤を洗い流してください。
マウスピース専用の洗浄剤はドラックストアや薬局、ネット通販などで購入できます。
マウスピースを洗う頻度
マウスピースは毎日欠かさずに洗浄しましょう。マウスピースを外すたびに流水で洗浄してください。また、2〜3日に1回はマウスピース専用の洗浄剤を使用するとよいでしょう。
マウスピース矯正では1日20時間以上マウスピースを装着します。常にマウスピースと歯が密着している状態のため、マウスピースに細菌や汚れが付着していると歯にも細菌や汚れが長時間密着することになります。
上述のとおり、マウスピースに細菌が付着して繁殖すると、虫歯や歯周病の原因になります。マウスピースを取り外したら流水で汚れを念入りに洗い流しましょう。
マウスピースを洗うときの注意点
マウスピースの洗浄は虫歯や歯周病を防ぐためにも欠かせません。
しかし、マウスピースの洗い方を間違えると、破損することや傷がつくことがあるため、正しい洗い方を知っておくべきです。
以下ではマウスピースを洗浄する時の注意点について4つ解説します。間違った洗い方をしていた場合は、今日からでも洗い方を改めましょう。
熱湯を使用しない
マウスピースを洗うときは熱湯を使用してはいけません。熱湯を使用すると、マウスピースが変形する恐れがあります。マウスピースはプラスチックでできているため、耐熱性が高くありません。熱湯を使用するとマウスピースが溶ける場合や歪む場合があるのです。
マウスピースは歯にフィットするように精密に設計されているため、変形すると歯にはまらなくなる可能性があります。マウスピースが変形した場合、マウスピースを作り直さなければならないケースもあるでしょう。
マウスピースを作り直す場合、1か月以上時間がかかるため矯正の治療期間が延びる要因にもなります。そのため、マウスピースの洗浄は必ず水もしくはぬるま湯で行うようにしましょう。
歯磨き粉を使用しない
マウスピースを洗う際、歯磨き粉の使用は避けましょう。一見歯磨き粉は、マウスピースについた汚れや細菌を取り除くのに便利そうですが、歯磨き粉に含まれている研磨剤がマウスピースを傷つける恐れがあります。
目には見えないような小さな傷でも、そこに細菌が付着・繁殖して虫歯や歯周病の原因になるため注意が必要です。マウスピースを洗浄するときは歯磨き粉を使わずに、指や柔らかい歯ブラシを使って汚れを落としましょう。
強い力で擦らない
マウスピースの汚れを落とすときは優しい力で擦りましょう。マウスピースを強い力で擦ると、傷がつく場合や破損する場合があります。
汚れをしっかり落とそうとゴシゴシこするのではなく、軽く大まかな汚れを落とすイメージです。落としづらい汚れは洗浄剤の力に頼るとよいでしょう。
入れ歯用の洗浄剤は使用しない
マウスピースの洗浄には専用の洗浄剤の使用が便利ですが、入れ歯用の洗浄剤は使用しないほうがよいでしょう。入れ歯用の洗浄剤の中には、洗浄力が強いものもあり、マウスピースの強度が落ちる恐れがあります。
マウスピース専用の洗浄剤については、安全性やマウスピースへの悪影響がないことも保証されているため、安心して使用可能です。
歯科医院によっては特定の入れ歯用洗浄剤の使用を推奨するところもあるでしょう。洗浄剤の使用については歯科医院に確認してください。
まとめ
今回は、マウスピースの洗い方や洗う頻度、洗うときの注意点について解説しました。
マウスピースは歯列矯正などで用いられる矯正装置で、歯に直接装着するため洗浄が必要不可欠です。洗わずに使用すると歯周病や虫歯、口臭など様々なリスクが生じます。
マウスピースを洗うときは、指や柔らかい歯ブラシを使用して、マウスピースに付着した汚れを落としましょう。また、マウスピースを洗うときは水またはぬるま湯で洗いましょう。マウスピース専用の洗浄剤につけ置きすると目に見えない汚れや細菌まで除去できます。
正しい方法でマウスピースを洗わないと、変形することや傷がつくことがあります。マウスピースの作り直しや虫歯・歯周病など、矯正治療の妨げとなる可能性があるため、ぜひ本記事を参考に正しい洗い方を取り入れましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
こどもの受け口を治す方法とは?放置してはいけない理由も解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
こどもが受け口だと気づいた時、そのままにしておけば自然と治るのか、治療をするべきなのか悩むのではないでしょうか。結論からいうと、受け口は歯並びの問題だけではなく、身体全体にも影響があるので可能な場合は早いうちに治療すべきです。
今回は、受け口を放置してはいけない理由や治療方法、治療期間や費用などを解説します。お子さまの受け口が気になる方は参考にしてください。
受け口とは?
本来の正しい歯並びでは、上の歯が下の歯より前に出る状態で噛み合います。それが逆になっていて、下の歯のほうが前にでているのが受け口です。反対咬合、下顎前突ともいいます。
受け口は見た目がよくないというだけではなく、噛み合わせが悪い状態になるのでさまざまな弊害があります。一部の歯に負担がかかってしまうので、その歯が欠けたり、ぐらぐらしたりします。歯が傷ついたり、歯肉が下がることもあるでしょう。
また、噛み合わせがずれると、顎をずらして噛むようになる可能性があります。それを続けると骨格の歪みにつながるでしょう。
このような状況を避けるために、受け口の方は早期に治療を受けることが大切です。
こどもが受け口になる原因
こどもが受け口になってしまうのは、上顎が小さくて下顎が大きいなど、骨格が関わることが多いです。そのため、遺伝の要素もありますが、以下のような後天的なことが原因になるケースも少なくありません。
指しゃぶりの癖
指しゃぶりは小さなこどもに多くみられる癖で、心を落ち着かせるために行うことが多いです。無理にやめさせることは難しいですが、3~4歳になったら自然にやめられるように促してあげましょう。
指しゃぶりをしていると、前歯で指に押されている状態が長く続きます。歯が傾斜して受け口になってしまうことがあります。
短期間であれば大きく影響することはありませんが、数年間続けるとリスクは増すでしょう。指しゃぶりだけではなく、頬杖をつく癖、前歯を舌で押す癖なども受け口の原因になります。
口呼吸している
本来の呼吸方法は鼻呼吸です。鼻呼吸であれば口を閉じているため、舌が上顎についています。上顎にあるのが舌の正しい位置ですが、この時上顎に力がかかるため、上顎の成長が促されます。
口呼吸をしている場合は、口を開け続けることになります。上顎が十分に成長しないので、受け口になる可能性があるのです。
口呼吸をしていると口が乾きやすく虫歯のリスクが増すので、この点を考慮しても改善する必要があります。
こどもの受け口を放置してはいけない理由
受け口は早いうちに対処して、治すほうがよいとされています。場合によっては3歳頃から治療をスタートするケースもあります。
こどもの受け口を放置してはいけない理由を解説します。
下顎が目立ってしまう
下顎が突き出した状態をしゃくれといいますが、場合によってはそれが目立ってしまうことがあります。コンプレックスを感じるこどももいるので、早いうちに治療を受けるとよいでしょう。
噛みにくくなる
受け口の方は、うまく上下の歯が噛み合いません。食べ物が噛みにくくなってしまいます。
しっかり噛めないと唾液の分泌量が少なくなり、虫歯の原因にもなります。十分に咀嚼できてないと、消化不良にもつながります。
発音しにくくなる
受け口の方は、舌の位置が正常な場合よりも前方に出てしまうことが多いです。この場合、特にサ行、タ行、ダ行の発音がしにくくなり、滑舌が悪くなってしまいます。
顎関節症になることがある
受け口の状態では噛み合わせが悪いため、歯だけではなく顎の骨にも通常よりも負担がかかります。負担がかかり続けると。顎関節症になってしまうこともあります。
顎関節症は、口を開けた際に痛みを感じたり、カタカタと音がしたり、違和感があります。
身体が歪んでしまう
悪い噛み合わせは、頭や首だけではなく背骨や骨なども歪ませてしまうこともあります。身体が歪むことで、頭痛や肩こり、腰痛などの不調につながることもあるでしょう。
こどもの受け口を治す方法
こどもの受け口は成長と共に自然と治ることもありますが、その確率は高くはありません。そのため、受け口に気づいたらなるべく早めに対処することが大切です。
トレーニングをする
受け口を治すためのお口周りのトレーニングがあります。歯科医院で正しい方法を習って実践するのもよいでしょう。
こどもが行うためトレーニング内容を理解できる年齢に達している必要があります。
マイオブレースやプレオルソによる治療
こども用の矯正装置であるマイオブレースやプレオルソによって、受け口を治療できます。どちらも3~4歳からと低年齢で始められる治療です。
装着時の痛みが少なく、装着時間も短いので、子供への負担は少ないでしょう。
拡大床やマウスピース矯正による治療
拡大床は、顎の成長を利用しながら顎の骨を広げる矯正装置です。受け口の治療も可能でしょう。
取り外しできるため、衛生的も使いやすいメリットもあります。また、固定式の急速拡大装置でも受け口の治療は行えます。
インビザラインなど、マウスピースによる小児矯正でも受け口の治療は可能です。
こどもの受け口を治すためにかかる期間
歯科医院で行うこどもの受け口の主な治療は、マイオブレースとプレオルソ、拡大床、急速拡大装置、マウスピース矯正があげられます。歯並びの状態にもよりますが、治療にかかる期間の目安は以下のとおりです。
<治療方法と治療期間>
治療方法 |
年齢 |
治療期間 |
マイオブレース |
3~15歳 |
2年程度 |
プレオルソ |
3~10歳 |
1年程度 |
拡大床 |
6~11歳 |
1~2年程度 |
急速拡大装置 |
6~11歳 |
2週間~2ヶ月程 |
マウスピース矯正 |
6~10歳 |
1年半~2年程度 |
こどもの受け口を治すためにかかる費用
こどもの受け口を治療するために必要な費用は装置ごとに異なります。それぞれ解説します。
<治療方法と費用>
治療方法 |
装置費用+検査費用 |
診察費用/月 |
マイオブレース |
20万~50万円 |
2,000~5,000円 |
プレオルソ |
5万円前後 |
2,000~5,000円 |
拡大床 |
10万~30万円 |
2,000~5,000円 |
急速拡大装置 |
10万~30万円 |
2,000~5,000円 |
マウスピース矯正 |
30万~70万円 |
2,000~5,000円 |
歯列矯正には基本的に保険が適用されないので、費用は歯科医院によって異なります。実際の費用は、司会員に問い合わせると良いでしょう。
こどもが受け口になるのを予防する方法
骨格が遺伝するため、受け口も遺伝することもあります。後天的な癖によって受け口になることもあるため、それは予防が可能です。
赤ちゃんの時に、顎や口周りの筋肉を発達させるよよいでしょう。できる限り母乳を与えたり、吸う力がつきやすい哺乳瓶を使うことを検討してください。
受け口は早いうちに治療できるので、小さな頃から歯科医院を受診すると良いでしょう。赤ちゃんのうちから歯科医院に通い、定期検診を受けてください。歯科医院に慣れていれば、抵抗なく治療を受けられる可能性があります。
虫歯だけではなく、歯並びにも問題がないか注視していくことも重要といえます。
まとめ
こどもの受け口は、見た目だけではなく、噛む・話すといった口腔機能に影響を及ぼします。顎関節症や体の歪みを引き起こす恐れもあります。
そのため、お子さまの受け口に気づいた時は、早めに歯科医院にご相談ください。
お子さまの年齢や発達によっては、すぐに治療を開始するのは難しいケースもあるでしょう。可能な場合は、大きな影響がでないうちに治療を始めます。
子どもの受け口の治療を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でもインビザライン矯正はできる?
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
インビザラインは1日20~22時間以上マウスピースを装着することで歯並びを整えます。歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも、インビザライン矯正を受けられるのでしょうか。
ここでは、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でもインビザライン矯正はできるかについて解説します。歯ぎしり・食いしばりを改善する方法もご紹介するので、歯ぎしり・食いしばりにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
歯ぎしり・食いしばりの原因とは?
歯ぎしり・食いしばりは集中している時や就寝中などの無意識下で行うことが多いです。上下の歯を強く噛み合わせたり、横にギリギリとすり合わせたりすることをいいます。
無意識下で行うことが多いので、自分で気付かないことも珍しくありません。歯ぎしり・食いしばりは、お口の問題だけでなく、以下のさまざまな要因が合わさって起こると考えられています。
・眠りが浅い・疲れが溜まっている
・ストレス
・噛み合わせが悪い
・スポーツや力仕事をしている
・集中している
歯ぎしり・食いしばりは就寝中にしていることが多く、特に眠りが浅い時にしやすいといわれています。慢性的に疲れやストレスが溜まっている方は、歯ぎしり・食いしばりをしやすいので注意が必要です。
また、噛み合わせが悪い場合、一部の歯だけ歯ぎしり・食いしばりを行う場合があります。
歯ぎしり・食いしばりは、根本的に治すのは難しいといわれています。原因を知ることで改善できる場合があるので、まずは何が原因で歯ぎしり・食いしばりをしているのかを知り、原因に応じて対策することが大切です。
歯ぎしり・食いしばりが歯に与える影響
歯ぎしり・食いしばりは無意識下で行うものであるため、日頃の噛む力の3~5倍もの負担が歯にかかるといわれています。
ここでは、歯ぎしり・食いしばりが歯に与える影響について解説します。
歯のすり減り・欠け
歯ぎしり・食いしばりは上下の歯に過大な負担をかけるため、噛む面がすり減ったり欠けたりすることがあります。歯に過大な負担がかかることで、歯に亀裂が入ったり、ひどい場合には歯そのものが割れることがあるでしょう。
歯に過大な負担がかかると、歯の寿命を縮めることにつながります。
詰め物や被せ物の破損
歯ぎしり・食いしばりは、詰め物や被せ物にも負担をかけます。過大な負担が詰め物や被せ物にかかると、破損したり取れたりするでしょう。
詰め物や被せ物の破損・脱離を放置すると虫歯になりやすいため、なるべく早く歯科を受診しましょう。
歯周病が進行しやすくなる
歯ぎしり・食いしばりによる負荷は、歯を支える歯茎や顎の骨にも影響を及ぼします。歯茎が下がったり歯茎の炎症を引き起こしたり、歯ぎしり・食いしばりが原因で歯周病が進行することがあるのです。
また、顎の骨に負担がかかることで歯を支えている顎の骨が徐々に吸収されることもあります。歯がグラついたり歯並びが悪くなったりすることがあるでしょう。
知覚過敏になる
歯ぎしり・食いしばりで歯がすり減ったり欠けたりすると、歯の表面にあるエナメル質が削れます。神経に刺激が伝わりやすくなり、知覚過敏を引き起こすことがあります。
また、歯ぎしり・食いしばりにより歯茎が下がることで、歯の根元部分が露出する場合もあります。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でもインビザライン矯正はできる?
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも、インビザライン矯正は可能です。
ただし、日常的に行っている場合は難しいかもしれませせん。マウスピースが割れるなどのトラブルにつながりやすいためです。
歯ぎしり・食いしばりがあってもインビザラインができるかどうかは、癖の程度によって異なります。歯科医師に相談し、適切な治療方法を検討しましょう。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方がインビザライン矯正をする場合の注意点
歯ぎしり・食いしばりがある方でもインビザライン矯正は可能です。
しかし、知っておかなければならないリスクがあります。詳しく確認しましょう。
マウスピースが破損することがある
インビザラインで使用するマウスピースはやわらかい素材でできています。また、厚みは0.5mmほどしかありません。
歯ぎしり・食いしばりがある方がインビザラインで矯正する場合、マウスピースに穴が空いたり破損したりすることがあります。歯ぎしり・食いしばりによってマウスピースが破損すると、マウスピースの作り直しが必要になって治療が延びる可能性があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりを頻繁に行う場合などは、ワイヤー矯正を勧められるかもしれません。
歯の移動が妨げられることがある
歯ぎしり・食いしばりで歯が上下左右に強く揺さぶられると、マウスピースの力が歯にうまく伝わらない可能性があります。予定通りに歯が移動しないことがあるのです。
歯ぎしり・食いしばりによって歯の移動が阻害されると、予定よりも治療期間が長くかかるかもしれません。
後戻りするおそれがある
歯ぎしり・食いしばりによって歯に負担がかかると、インビザライン矯正で歯並びが整っても後戻りを引き起こすことがあります。インビザラインに限らず、矯正治療では歯を移動させる矯正期間と、歯並びを安定させる保定期間をも受けなければなりません。
矯正期間後の歯並びは不安定なため、保定期間中はリテーナーを装着します。
しかし、歯ぎしり・食いしばりによって歯に負担がかかると歯が後戻りしやすくなるのです。
歯ぎしり・食いしばりを改善する方法
歯ぎしり・食いしばりは無意識下で行うことが多いため、根本的に治すことは難しいといわれています。主な原因は疲れやストレスと言われているので、生活環境を整えることで改善される可能性があるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりを改善する方法は、以下のとおりです。
ナイトガードの使用
ナイトガードを装着すれば、歯や顎にかかる負担を軽減できます。ナイトガードは歯科医院で作成してもらえるので、気になる方は相談するとよいでしょう。
歯を噛み合わせていないか意識する
理想的な歯の位置は、上下の歯の間に隙間が空き、歯同士が接触していない状態です。日常的に歯ぎしり・食いしばりをしている場合、無意識に上下の歯を噛み合わせ、常に上下の歯が接触している場合があります。
普段から上下の歯が接触していると歯に負担がかかり続け、さまざまな悪影響を及ぼすでしょう。意識して上下の歯の間にすき間を作ってください。
上下の歯を噛み合わせないようにするには、舌を正しい位置に置くことを意識するのも重要です。正しい舌の位置は、舌先が上の前歯の裏側にある状態です。
ストレスを溜めない
疲れやストレスが溜まると、歯ぎしり・食いしばりを引き起こすとされています。普段からストレスを溜めないように意識しましょう。
休みの日は趣味を楽しむ、休養をとるなど、ストレスを発散してください。ストレッチや運動を習慣化することも有効でしょう。
顎や頭の筋肉をほぐす
歯ぎしり・食いしばりをすると顎関節や側頭筋が凝り固まります。うまく筋肉が動かせないことで、歯ぎしり・食いしばりが悪化する可能性があります。
フェイスラインや側頭筋をマッサージしたり、耳をまわして顔周りの血液循環をよくしたりすることで、歯ぎしり・食いしばりが改善するかもしれません。
特に、歯ぎしり・食いしばりによって口周りにだるさを感じる、口が開きづらいなどの症状がある場合は、顎や側頭筋が凝り固まっている可能性が高いです。朝晩マッサージしてほぐすと良いでしょう。
寝心地のよい環境を整える
疲れやストレスが溜まると眠りが浅くなります。眠りが浅くなると、歯ぎしりや食いしばりをしやすくなります。
よく眠ることで疲れやストレスが解消されるため、寝心地の良い環境を整えることも重要です。ゆっくり湯船に浸かる、お風呂上りにストレッチをする、寝る前にスマートフォンを触らないなど、心身を落ち着けることを意識しましょう。
また、うつ伏せや横向きなど、顔に負担がかかる寝方をすると歯ぎしり・食いしばりをしやすいといわれています。自分に合った枕やマットレスを使用することで、無理のない姿勢で就寝できるでしょう。
まとめ
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも、インビザライン矯正は可能です。
ただし、これらの癖を日常的に行っている場合は難しい場合もあるでしょう。歯ぎしり・食いしばりしている場合でも、原因を知れば改善できることがあります。まずは何が原因で歯ぎしり・食いしばりをしているのかを知り、原因に応じて対策を行いましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
こどもの出っ歯は放置してはいけない?矯正方法や期間、費用を解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
こどもの出っ歯を放置すると、将来的にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。出っ歯の矯正治療は、見た目だけでなく、お子さまの健康を守るためにも重要です。
今回は、こどもの出っ歯の原因と、将来の健康にどのような影響を及ぼすのか詳しく解説します。矯正治療の必要性や、治療方法、期間、治療費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
出っ歯とは?
出っ歯とは、歯列異常の一つで、上下の歯の噛み合わせが正常でなく、特に上顎(上の歯)が前方に突き出ている状態のことです。上顎前突(じょうがくぜんとつ)ともよばれます。
上顎が前方に突出しているため、口元が前に突き出て見える、下顎が後退して見えるなど、審美性に大きく影響します。
出っ歯が口元の見た目や全体的な健康に及ぼす影響には個人差があるため、状態の正確な診断と適切な治療が非常に重要です。
こどもが出っ歯になる原因
出っ歯になる原因は、以下のとおりです。
口周りの癖がある
こどもの出っ歯が発生する原因として、口周りの癖が挙げられます。特に多いのは指しゃぶりでしょう。
指しゃぶりが続くと、前歯が前方に傾斜することで出っ歯になります。また、舌を前に突き出す習慣も、出っ歯の原因となり得ます。
軽い力が歯並びに影響を及ぼすとは思えないかもしれませんが、実際に口周りの癖が出っ歯を引き起こすケースは少なくありません。長時間力がかかり続けると、歯が動くのです。
鼻呼吸ではなく口呼吸をしているこどもも、出っ歯のリスクが高まります。
歯と顎のサイズのバランスが悪い
こどもが出っ歯になる原因は、必ずしも悪い癖だけではありません。歯と顎のサイズのバランスが原因となることもあります。
特に、上の歯が全体的に大きい場合、歯を並べるために必要なスペースが足りず出っ歯になることがあります。歯のサイズと顎のスペースが不釣り合いな場合、出っ歯の症状が現れるのです。
こどもの出っ歯を放置するリスク
こどもの出っ歯を放置するリスクを確認しましょう。
見た目にコンプレックスを抱く
口を閉じた際に唇から前歯がはみ出る状態では、見た目にコンプレックスを抱えやすくなります。社交性に影響を及ぼし、引っ込み思案な性格を形成するかもしれません。
発音に影響が出る
こどもの出っ歯を放置すると、発音にも影響を及ぼすことがあります。サ・タ・ラ行の発音は、舌を上の歯に当てて行います。
出っ歯の場合、前歯が突出しているため空気が抜けやすく、きれいに発音するのが難しくなるのです。
言葉はコミュニケーションの基本であり、正確な発音は非常に重要です。出っ歯による発音の問題は、こどもの言語能力の発達にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
出っ歯は、口をしっかり閉じるのが難しくなることがあります。口が常に開いていることで、口の中が乾燥しやすくなります。
口内が乾燥すると虫歯菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。口呼吸が続くことで、呼吸器系の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
胃腸に負担がかかりやすい
前歯には、食べ物を噛み切る重要な役割があります。出っ歯の場合、食べ物をうまく噛み切れません。
大きな塊のまま胃腸に送られることになります。消化不良を引き起こす原因となり得るでしょう。
こどもの出っ歯を矯正する方法
小児矯正にはさまざまな治療法が存在します。詳しく確認しましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属のワイヤーとブラケットを用いる方法です。長い歴史と実績を持ち、出っ歯を含むほぼすべての歯並びの問題に対応可能です。
通常、永久歯が生え揃ってから行う2期治療で使用されます。
マウスピース矯正
口周りの筋肉の発達を促進し、自然な歯列へと導く治療法があります。シリコン製のマウスピースを使用し、日中1時間と就寝中に装着することで、歯並びの改善を目指す治療です。
学校や外出先などの公共の場で装着する必要がないため、こどものストレスや負担を軽減できることが大きなメリットです。
マウスピースの装着とあわせて、MFT(口腔筋機能療法)という特別なトレーニングを行います。口呼吸や指しゃぶり、舌の癖などの問題も改善できるでしょう。
特に5~15歳のこどもに適しており、出っ歯だけでなく口腔機能全体の健康を促進できます。マウスピースと筋機能療法の組み合わせることで、出っ歯の根本的な原因を改善するのです。
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる期間
こどもの出っ歯を矯正する際の治療期間は、治療を開始する時期によって異なります。顎の成長を利用する1期治療では、通常1~2年程度必要です。
1期治療では出っ歯の改善が十分でない場合や、より細かい歯並びの調整が必要な場合は、2期治療が必要になります。2期治療の期間は、1~3年程度が一般的です。
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる費用
こどもの出っ歯を矯正するためにかかる費用は、以下のとおりです。
・ワイヤー矯正:700,000~1,000,000円
・マウスピース矯正:200,000~700,000円
費用は歯科医院によって異なるため、詳細は直接確認しましょう。
こどもが出っ歯になるのを防ぐ方法
こどもが出っ歯になるのを防ぐ具体的な方法をご紹介します。
日常の癖を改める
こどもが出っ歯になるのを防ぐためには、日常生活における小さな癖に注意することが重要です。こどもは無意識のうちに指しゃぶりなどの行動をとることが多く、口周りの筋肉や顎の発達に悪影響を及ぼすことがあります。
特に、以下の癖がある場合は、早めに改善することが大切です。
・3歳を過ぎても指しゃぶりやおしゃぶりの癖が続いている
・姿勢が悪く猫背になっている
・頬杖をつく
・うつぶせ寝をする
・爪を噛む癖がある
食事中にこどもの姿勢が猫背になっていないかをチェックしてあげましょう。
小学生になると、机に座って頬杖をつく癖がつくことがあります。片方の顎に力が加わり、顎の変形や歯の傾きを引き起こすので注意が必要です。
口周りの筋肉や顎の発達を促す
乳幼児期には、母乳を飲ませることが推奨されています。母乳を飲む際に必要な吸う力と嚥下(えんげ)する力が、口唇や口腔周囲筋などの口周りの筋肉の発達を促し、顎の大きな発達に役立つからです。
口周りの筋肉が発達することで口腔内の機能が向上し、歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保できます。最近では、母乳のように力を入れて吸わなければならない哺乳瓶も市販されているので、活用を検討してもよいでしょう。
幼児期(1歳から小学校入学まで)には、顎や口周りの筋肉の発達を促すために、硬いものを食べさせることが大切です。ナッツ類やりんご、梨、おせんべいなどの硬い食べ物をおやつとして与え、よく噛む習慣をつけましょう。
1口につき30回程度噛むことを習慣にすると、口周りの筋肉が発達します。歯並びの悪化を予防するだけでなく、唾液の分泌が促進されて虫歯の予防にもつながるでしょう。
前歯で噛み切り、奥歯でしっかり噛んでから飲み込む練習を行うことも重要です。
舌の位置を正す
こどもが出っ歯になるのを防ぐためには、舌の位置に注意することが重要です。舌の正しい位置は、上の前歯の裏側についている状態とされています。
食事の変化や日常の癖により、舌の位置が本来あるべき位置よりも低くなる「低位舌(ていいぜつ)」になっているこどもが多くなっています。舌の位置が低くなると口呼吸になりやすく、顎の成長に影響を及ぼして出っ歯になる可能性があるでしょう。
こどものうちから正しい舌の位置を覚えるトレーニングを行うことが大切です。舌、唇、口周りの筋肉が適切に発達することで、歯並びの土台となる上顎の成長を促せます。
鼻呼吸を意識する
こどもがリラックスしている際に口がポカンと開いている場合、口呼吸になっている可能性が高いです。口呼吸が習慣になると、顎や舌の位置が下がります。
口周りの筋肉や顎の骨が十分に発達せず、噛み合わせが悪くなって出っ歯になるリスクが高まるでしょう。
口呼吸によって口腔内が乾燥すると、虫歯や歯周炎になるリスクが高まるだけでなく、アレルギー症状を引き起こしやすくなるなどの身体への健康リスクも増えます。口呼吸の習慣がある場合は、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行って鼻呼吸に改善することが重要です。
定期的に歯科医院を受診する
乳歯が生え始めた頃から、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。乳歯は自然に抜けるから虫歯になっても問題ないと考える方が多いですが、適切なケアを怠ると永久歯の歯並びが悪化することがあります。
また、こどもが外傷や虫歯で歯を失うと、あいたスペースに隣の歯が移動して歯並びが乱れることもあるでしょう。そのため、専門家の診察を受けることが大切です。
まとめ
こどもの出っ歯の原因は、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などの習慣によることが多いです。口周りの筋肉や顎の発育に影響し、歯並びの悪化や不正咬合を引き起こすリスクがあります。
出っ歯を放置すると、見た目の問題だけでなく、発音や消化など健康面にも影響を及ぼすため、早めに対応しましょう。
こどもの出っ歯の矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
マウスピース矯正の平均治療期間は?延長になるケースも解説!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
マウスピース矯正を検討する際は「何年くらいかかる?」「いつ頃終わる?」と考える方が多いです。平均治療期間を知れば、安心してマウスピース矯正を開始できるかもしれません。
今回は、マウスピース矯正の平均治療期間や期間の長さを決める要素、延長になるケースなどを解説します。計画どおりに矯正治療を終わらせるための方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
マウスピース矯正の平均治療期間
マウスピース矯正の治療期間は、大きく2つに分類されます。
・矯正治療の期間
・治療後の後戻りを防止する期間
矯正治療は、歯並びが整えば終わりではありません。マウスピース矯正に限らず、矯正治療後は歯がもとの位置に戻ろうとする後戻りが起こります。後戻りを防止するためにリテーナーを装着し、歯並びを保定する期間が必要です。
それぞれの平均期間をまとめました。
矯正治療の期間
矯正治療にかかる期間は、部分矯正か全体矯正かによって大きく異なります。
・全体矯正:2〜3年
・部分矯正:6か月〜1年
部分矯正は、主に前歯部分の歯並びを整える治療です。動かす歯の本数が少なく、移動距離も短いので、全体矯正に比べて治療期間が短くなる傾向があります。
治療後の後戻りを防止する期間
矯正治療後の後戻りを防止するために必要な期間は、1〜3年程度です。
保定期間をどのくらい設けるかは歯科医師によって見解が異なり、矯正治療にかかった期間と同程度とする場合もあります。口腔内の状況や症例によっても変動するでしょう。
後戻りを防止する保定期間中は、歯や歯周組織を安定させるためにリテーナーという保定装置を装着します。リテーナーを正しく装着しなかった場合、歯がもとの状態に戻り、再び矯正治療をしなればなりません。
理想的な歯並びや噛み合わせを定着させるための大切な期間なのです。
マウスピース矯正の治療期間の長さを決める要素
マウスピース矯正には部分矯正と全体矯正があり、それぞれ平均的な治療期間が異なります。精密検査の情報をもとに治療計画を立て、おおよその治療期間が決まります。
マウスピース矯正の治療期間の長さを決める要素は、下記のとおりです。
症例と程度
症例と程度は、マウスピース矯正の治療期間の長さを左右します。マウスピース矯正で治療可能な症例と治療期間の目安は、以下のとおりです。
・すきっ歯:6か月〜1年半
・叢生(ガタガタした歯並び):3か月〜2年
・出っ歯:7か月〜1年
症例だけでなく、歯並びの乱れが軽度か重度なのかによっても治療期間が異なります。
同じすきっ歯でも、軽度であれば治療期間が短くなります。重度の場合は歯の移動距離が長くなるので、治療期間も長くなるのです。
抜歯の有無
抜歯の有無も、マウスピース矯正の治療期間を大きく左右します。
当然ながら、抜歯が必要なケースでは抜歯後の傷が治癒する期間を設けなければなりません。抜歯後すぐにマウスピース矯正を始められるわけではないのです。
また、歯を動かす距離が長くなるので矯正期間も長くなるでしょう。
なお、抜歯が必要な症例は、マウスピース矯正が不可能なケースもあります。
マウスピース矯正の治療期間が延長になるケース
マウスピース矯正を開始する前に、歯科医師からある程度の治療期間の目安を知らされます。
しかし、予定していた矯正期間で治療が完了しないケースも珍しくありません。マウスピース矯正が延長になる理由は、次のとおりです。
マウスピースの装着時間が短い
マウスピースの装着時間が短いと、予定どおりに歯が動かず、治療が延長になることがあります。
マウスピースの装着時間は使用するマウスピースのブランドによって異なりますが、一般的に20時間以上です。食事や口腔ケア、マウスピースの洗浄をしている間を除き、ほとんどの時間装着する必要があります。
「マウスピースを外したあと、うっかり装着し忘れた」「長い時間装着するのはストレスだから装着する時間を短くしよう」など、装着時間が短くなると矯正期間が長引くでしょう。
マウスピースを正しく装着していない
マウスピースや顎間ゴムを正しく装着していないと、予定どおりに歯が動かない可能性や、違う方向に歯が動く可能性があります。マウスピースは、親指を使って奥歯からしっかりと装着しましょう。
虫歯や歯周病で治療を中断した
マウスピース矯正の途中で虫歯や歯周病になった場合、矯正治療を中断して治療をしなければなりません。治療を中断している間に歯並びが変わる可能性があり、マウスピースの作り直しが必要になることもあるでしょう。
虫歯や歯周病の治療期間や、新しいマウスピースの到着を待つ期間を考えると、マウスピース矯正の治療期間が大幅に延長になる可能性があるのです。
喫煙している
喫煙している場合、矯正期間が延長になる可能性が高くなります。ニコチンの影響で歯茎の血行が悪くなり、歯周組織の再生が妨げられるからです。
そのため、歯が動く、歯周組織が安定するなど、マウスピース矯正に必要な過程が完了するのに時間がかかります。
また、喫煙者は歯周病になるリスクが高いことがわかっています。歯周病になると矯正治療が延長になる可能性が高いので、注意する必要があるでしょう。
マウスピース矯正を計画どおりに終わらせる方法
マウスピース矯正の期間が延長になると、経済的な負担が大きくなります。計画どおりに終わらせるために、下記の点に気をつけましょう。
マウスピースの装着方法を守る
マウスピース矯正の期間を延長させないためには、マウスピースの装着方法を守ることが重要です。装着時間を守って、正しく装着してください。
マウスピースの装着中に違和感がある場合は、継続して使用せずすぐに歯科医院で確認してもらいましょう。マウスピースがきちんとフィットしていない場合、迅速に対応する必要があります。
口腔ケアを怠らない
矯正治療中は、口腔ケアを怠らないように気をつけましょう。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べると口腔ケアを容易に行えますが、丁寧にケアしなければ虫歯や歯周病になりかねません。
歯ブラシに加え、タフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなども使用してきれいに磨きましょう。
また、きれいに磨いているつもりでも、磨き方には癖があります。同じ部分に汚れが溜まり続けると、虫歯や歯周病の原因になるので要注意してください。歯科衛生士からブラッシング指導を受け、正しい磨き方をマスターしましょう。
禁煙する
タバコを吸っている場合は、マウスピース矯正を開始する前に禁煙してください。上述したように、喫煙していると矯正治療がスムーズに進みません。
矯正治療に悪影響を及ぼすだけでなく、がんなどさまざまな病気の原因にもなります。理想的な歯並びを手に入れて健康な生活を送るためにも、禁煙しましょう。
経験豊富な歯科医師の治療を受ける
マウスピース矯正の経験が豊富な歯科医師から治療を受けることも重要です。経験豊富な歯科医師ならば、精密検査の結果に基づいて症例に適した治療計画を立てられるでしょう。
また、矯正治療中は何らかのトラブルが発生することが多いです。マウスピースが浮く、マウスピースが壊れたなど、急なトラブルが起こっても迅速に対応してくれます。
経験豊富な歯科医師の治療を受ければ、矯正期間が延長になるリスクを抑えられるのです。延長になった場合でも、最善の治療法を提案してくれるでしょう。
まとめ
マウスピース矯正の平均治療期間は、部分矯正で6か月〜1年、全体矯正で2〜3年です。治療期間に加えて、1〜3年程度後戻りを防止する期間を設ける必要があります。
治療期間は、症例や程度、抜歯の有無に大きく左右されます。マウスピース矯正の治療期間が延長にならないために、マウスピースの装着方法を守り、口腔ケアを徹底しましょう。
経験豊富で信頼できる歯科医師の治療を受けることも大切です。
マウスピース矯正は長期に及びます。歯科医師やスタッフとよい関係を築き、スムーズに治療を進めましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?2期治療が必要なケースとは
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「こどもの矯正治療に興味がある」「小児矯正にはどんな種類があるの?」「小さいうちから矯正を始めるメリットはある?」など、小児矯正に疑問がある方も多いでしょう。
今回は、小児矯正の1期治療に焦点を当て、内容や期待できる効果について解説します。1期治療のみで歯並びが整うのかどうかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
小児矯正の1期治療とは?
小児矯正には1期治療と2期治療があります。
1期治療は、主に顎の成長を促進して歯列のアーチを拡大することを目的としています。2期治療は、大人の矯正治療と同様にすでに生えている永久歯の歯並びを整えることが目的です。
1期治療では、こどもの成長を利用して「将来的に永久歯が適切に生え揃うためのスペースを作る」ことを目指します。歯並びが乱れる主な原因は、歯が生え揃うためのスペースが不足していることです。例えば、顎の骨が小さい場合や、顎のサイズに対して歯が大きい場合、歯並びが乱れるリスクが高まるでしょう。
1期治療では、歯並びの問題を防ぐために、永久歯が生え揃えるスペースを作ります。
1期治療で使う矯正装置
1期治療で使う矯正装置は、以下のとおりです。
・拡大床(かくだいしょう)
・プレオルソ
・インビザライン・ファースト
・急速拡大装置
・ヘッドギア
さまざまな矯正装置があり、こどもに適した治療法が選択されます。それぞれ詳しく確認しましょう。
拡大床(かくだいしょう)
拡大床は、レジン製のプレート、ワイヤー、ネジを組み合わせた取り外し可能な矯正装置です。プレートを上顎にフィットさせ、ワイヤーを歯に引っかけて固定します。
埋め込まれたネジを定期的に回すことで、歯列を徐々に外側へ拡張する装置です。食事や歯磨きの際には外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、清掃しやすいことがメリットでしょう。
ただし、拡大床では顎の骨自体を広げることはできません。歯を傾斜させて歯列を広げます。
1日に12〜15時間の装着を推奨する歯科医院が多いです。
プレオルソ
プレオルソは、柔らかい素材で作られたマウスピース型の矯正装置です。使用する時間は日中1〜2時間と就寝中なので、お子さまへの負担を軽減できます。
主に、こどもの歯並びに影響を与える悪い習慣を改善するために用いられます。具体的には、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などが挙げられるでしょう。
プレオルソで癖が改善されれば、将来的な歯並びの問題を予防する効果が期待されます。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、こども向けのマウスピース矯正です。透明なマウスピースを使って、顎の発育をサポートしながら歯並びを整えます。
1日20〜22時間の装着が推奨されていますが、食事や歯磨きの時は取り外し可能です。透明なマウスピースなので、日中学校で装着していても目立ちにくいことがメリットでしょう。
急速拡大装置
急速拡大装置とは、歯列だけでなく上顎の骨の横幅を広げるための装置です。拡大床に比べてワイヤーが太く、強い力をかけることができます。
ネジがついている取り外せないタイプの装置で、短期間で顎の骨を拡大できます。
ヘッドギア
ヘッドギアは、上顎の過剰な成長を抑え、出っ歯を改善するために使用される矯正装置です。上顎の成長を調整することを目的に使用され、フェイスボウ(顔に固定する金属のバー)、上顎の奥歯に取り付けるアタッチメント、頭部や首に装着するヘッドキャップやネックバンドで構成されています。
ヘッドギアを使用する際は、歯科医師の指示に従うことが重要です。一般的には1日に10〜12時間の装着が推奨されていますが、患者さまによって異なるでしょう。
1期治療は誰でも受けられるわけではない
1期治療は、こどもの歯と顎の成長を利用して行う歯列矯正で、永久歯が生え揃うためのスペースを作ることが主な目的です。1期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期(6〜12歳頃)に行われます。
混合歯列期に治療を始めることで、顎の成長のコントロールや、歯列の拡大を行うことが可能になります。
永久歯がすべて生え揃っている場合、1期治療を開始するには遅すぎるでしょう。すでに永久歯が生え揃っている場合は、成人と同様の矯正治療、つまり2期治療が適切です。2期治療では、歯を移動させて歯並びを改善します。
小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?
結論からお伝えすると、1期治療のみで歯並びが整うケースもありますが、多くの場合2期治療も必要となります。
以下のようなケースでは、1期治療のみで歯並びが整うかもしれません。
・骨格に問題がない
・歯並びの乱れが軽度である
・歯のサイズが小さく、並べるためのスペースが十分にある
・悪習癖が改善されて歯並びも整った
ただし、上記のようなケースは稀です。1期治療と2期治療は基本的にセットで行うものと考えたほうがよいでしょう。
2期治療に進んだとしても1期治療を受けるメリットは非常に多いです。
1期治療をするメリット
1期治療を行うメリットは、以下のとおりです。
・2期治療での抜歯の可能性が低くなる
・2期治療の治療期間が短くなることがある
1期治療を行うことで、永久歯が生えるためのスペースを事前に確保できます。2期治療では抜歯が必要なくなることが多いでしょう。
抜歯を避けることは精神的ストレスの軽減につながります。治療プロセスがシンプルになるため、治療期間が短縮される可能性もあるでしょう。
1期治療によって顎の骨の成長を促すことで、2期治療の期間が短くなる可能性も高いです。歯を並べるためのスペースは確保できており、悪習癖も改善できていることが多いので、大きく歯並びが乱れることは少ないためです。
2期治療が必要なケースとは?
1期治療が終わっても、2期治療が必要となるケースも存在します。
・歯並びがガタガタしたまま
・歯がねじれて生えている
・上下の噛み合わせが悪い
上記のケースでは、2期治療が必要になるかもしれません。1期治療を終えた段階では2期治療の必要性はわからないので、経過を観察しながら2期治療を行うか検討します。
2期治療の治療内容
2期治療の内容は、大人の歯列矯正と同様です。矯正装置は大きくわけて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を移動させる治療です。
マウスピース矯正は、ご自身で取り外せる透明なマウスピースを使用して歯並びを整えます。少しずつ形の異なるマウスピースに定期的に交換しながら、理想の歯並びを目指します。
どちらの方法もメリット・デメリットがあるので、お子さまの歯の状態を確認して適切な治療方法を選択しましょう。
1期治療のみで終わる場合の注意点
1期治療を行っても、完全に理想的な歯並びが実現するわけではありません。顎の発育を促す治療を行っても、永久歯が想定どおりにきれいに生えるとは限らないのです。永久歯がねじれて生える場合もあるでしょう。
そのため、1期治療後も歯並びの状況を定期的にチェックすることが重要です。必要に応じて2期治療へ進むことで、整った歯並びを目指せるでしょう。
まとめ
小児矯正には、1期治療と2期治療があります。
1期治療は、永久歯がきれいに生え揃うためのスペースを作ること目的とした治療です。乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6〜12歳頃)のこどもを対象としています。
1期治療のみで歯並びが整う場合もありますが、基本的に1期治療と2期治療はセットで行います。1期治療を受けることで、2期治療の際の抜歯が不要になる、治療期間を短縮できるなどの効果が期待できるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリット!
こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
「八重歯のマウスピース矯正のメリットやデメリットを知りたい」と思う方もいるでしょう。八重歯はマウスピース矯正で治療できますが、治療にはメリット・デメリットがあります。
今回は、八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリットや、マウスピース矯正の流れなどを解説します。マウスピース矯正で八重歯を治療したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正で八重歯は治せる?
結論からお伝えすると、八重歯はマウスピース矯正で治療可能です。
ただし、歯の状態によってはマウスピース矯正を受けられない場合もあります。絶対にマウスピースで矯正できるとは限りません。
マウスピース矯正が難しい場合は、ほかの矯正治療を行う、事前に処置をしてマウスピース矯正を受けるなど、対応する必要があります。
そもそも八重歯とは?
八重歯とは、歯列の外側にはみ出している歯のことです。八重歯になる歯は前から3番目にある犬歯が多いですが、必ずしも犬歯が八重歯になるとは限りません。
犬歯以外の歯が歯列からはみ出している場合も八重歯といいます。日本では可愛らしい印象になるとする場合もありますが、海外ではヴァンパイアティースとよぶなど、よい印象はありません。
八重歯になる原因
八重歯になる主な原因は、以下の3つです。
・歯と顎の大きさのバランスが悪い
・乳歯が早くに抜けた
・上の前歯に過剰歯がある
それぞれ順番に解説します。
歯と顎の大きさのバランスが悪い
歯と顎の大きさのバランスが悪いと、八重歯になる可能性があります。歯列がきれいに並ぶための十分なスペースが確保できないことが原因です。
例えば、顎が小さいのに歯のサイズが大きい場合、すべての歯を適切な位置に生えさせるにはスペースが足りません。歯と歯が押し合い、犬歯が歯並びの外側に追いやられるのです。
歯並びが直接遺伝することはありませんが、顎や歯の大きさなど、骨格は遺伝することがあります。親族に八重歯の方がいる場合、八重歯になる可能性があるでしょう。
顎の成長・発達が未熟な場合も、スペースが不足して八重歯になることがあります。
乳歯が早くに抜けた
乳歯が早くに抜けた場合も、八重歯の原因となることがあります。早い段階で乳歯が抜けると、新しく永久歯が生えてくるまでの期間に、あいたスペースにほかの歯が移動することがあるのです。
新しい永久歯が生えようとした頃に、ほかの歯に必要なスペースが奪われていると八重歯になるでしょう。特に、犬歯はほかの歯よりも生え変わりが遅い傾向にあるため、八重歯になりやすいのです。
上の前歯に過剰歯がある
上の歯に過剰歯があることが原因で、八重歯になる場合もあります。歯の本数が多すぎてスペースが足りなくなり、歯が圧迫されて外側に飛び出るのです。
過剰歯とはその名のとおり、歯が本来の本数よりも過剰にある状態のことをいいます。前歯に過剰歯がある場合、犬歯が圧迫されて飛び出しやすいです。
八重歯を放置するとどうなる?
八重歯を治療せずに過ごすと、トラブルにつながる可能性があります。
・虫歯や歯周病になりやすい
・口の中を傷つけやすい
・八重歯以外の歯の寿命が縮む
・見た目がコンプレックスになる
それぞれ理由を合わせて解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
八重歯があると、虫歯や歯周病になりやすいです。歯の間に食べカスが挟まりやすく、歯磨きがしにくいからです。
気をつけて歯磨きをしなければ、すぐ虫歯になるでしょう。虫歯を治療したとしても、繰り返すことが多いです。
八重歯がある場合は、ご自宅での丁寧なケアが非常に重要です。
口の中を傷つけやすい
八重歯があると口の中を傷つけやすくなります。尖った形状をしている犬歯が歯列から飛び出すと、粘膜に刺さる可能性があるでしょう。
「口の中を頻繁に噛み、口内炎になる」という方も多いです。食事の際に気をつける、ゆっくり話すなど、注意しなければなりません。
八重歯以外の歯の寿命が縮む
八重歯があると、ほかの歯の寿命が縮みやすくなります。噛み合わせが悪くなり、ほかの歯に負担がかかるからです。
八重歯になりやすい歯である犬歯は、糸切り歯ともよばれています。本来、食べ物を噛み切るのに優れた歯です。
犬歯が歯列の外側に飛び出すことで、本来の機能をうまく果たせなくなります。噛み切る際の負担がほかの歯にかかり、寿命が縮まるのです。
見た目がコンプレックスになる
八重歯をコンプレックスに感じている方もいるでしょう。日本では無邪気で可愛らしいイメージとされることが多いですが、海外では好ましく思わない方のほうが多いです。
笑った際に上唇が八重歯に引っかかり、うまく閉じることができないなど、ストレスに感じる方もいます。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択する主なメリットは、以下の3つです。
・矯正装置が目立たない
・口の中を清潔に保てる
・金属アレルギーでも受けられる
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーなどの金属が目立ちます。
しかし、マウスピース矯正で使用するマウスピースは透明なため目立ちません。マウスピースは取り外せるため、歯磨きもしっかり行えます。
また、ワイヤー矯正は金属アレルギーがあると受けられませんが、マウスピース矯正は金属を使用しないため、アレルギーがある方でも治療可能です。
八重歯治療にマウスピース矯正を選択するデメリット
八重歯治療にマウスピース矯正を選択する主なデメリットは、以下の2つです。
・1日20時間以上装着する必要がある
・重度の場合は治療できないことがある
マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着を守る必要があります。装着時間が20時間未満の場合、十分な矯正効果が得られず治療期間が長引くでしょう。
違和感があるからと外すと治療が進みません。自己管理できるかが治療成功に大きく関わるのです。
また、重度の歯並びの乱れには対応できないことがあります。マウスピースを適切に装着できない場合や、歯を大きく移動させる必要がある場合、ほかの矯正方法を選択する必要があるでしょう。
マウスピース矯正で八重歯を治す流れ
まずは、検査結果をもとに患者さまに合ったマウスピースを作成します。定期的に新しいマウスピースに交換しながら、徐々に歯を移動させます。
マウスピース矯正だけでは治療できないケースもあるため、ワイヤー矯正を併用する、歯を抜く・削るなどの処置が必要になることもあるでしょう。
矯正治療中は、定期的に通院して口内の状況を確認します。必要に応じて、マウスピースを調整することもあるでしょう。
歯の移動が終わったら、保定期間に入ります。矯正治療には、歯を動かす動的治療期間と、保定期間があります。
矯正治療後の歯は不安定な状態なので、整えた歯並びを固定させる期間が必要なのです。保定期間中はリテーナーを装着して、歯がもとの位置に戻ることを防ぎます。
マウスピース矯正で八重歯を治すためにかかる期間
八重歯だけをマウスピース矯正で治療する場合は4か月〜1年ほど、八重歯を含む全体の歯をマウスピース矯正で治療する場合は1〜3年ほどが目安です。
ただし、1日20時間以上の装着を守った場合の期間です。装着時間を守らなければ、治療期間が延びるでしょう。
マウスピース矯正で八重歯を治すためにかかる費用
八重歯だけをマウスピース矯正で治療する場合は200,000〜500,000円ほど、八重歯を含む全体の歯をマウスピース矯正で治療する場合は300,000〜1,200,000円ほどかかるでしょう。
マウスピース矯正は自由診療のため、保険が適用されません。歯科医院によって費用が異なるため、事前に確認しましょう。
まとめ
今回は、八重歯の治療にマウスピース矯正を選択するメリットやデメリットについて解説しました。
八重歯があると可愛い印象になるかもしれませんが、口内や歯の健康の観点から考えると、矯正したほうがよいでしょう。マウスピース矯正の費用は歯科医院によって異なるため、ホームページなどで確認し、複数の歯科医院を比較して決めてください。
八重歯の治療でマウスピース矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。