歯のコラム
2023.12.26

小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?2期治療が必要なケースとは

こんにちは。北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科です。
歯磨きする子供

「こどもの矯正治療に興味がある」「小児矯正にはどんな種類があるの?」「小さいうちから矯正を始めるメリットはある?」など、小児矯正に疑問がある方も多いでしょう。

今回は、小児矯正の1期治療に焦点を当て、内容や期待できる効果について解説します。1期治療のみで歯並びが整うのかどうかも解説するので、ぜひ参考にしてください。

小児矯正の1期治療とは?

小児矯正する子供
小児矯正には1期治療と2期治療があります。

1期治療は、主に顎の成長を促進して歯列のアーチを拡大することを目的としています。2期治療は、大人の矯正治療と同様にすでに生えている永久歯の歯並びを整えることが目的です。

1期治療では、こどもの成長を利用して「将来的に永久歯が適切に生え揃うためのスペースを作る」ことを目指します。歯並びが乱れる主な原因は、歯が生え揃うためのスペースが不足していることです。例えば、顎の骨が小さい場合や、顎のサイズに対して歯が大きい場合、歯並びが乱れるリスクが高まるでしょう。

1期治療では、歯並びの問題を防ぐために、永久歯が生え揃えるスペースを作ります。

1期治療で使う矯正装置

1期治療で使う矯正装置は、以下のとおりです。

・拡大床(かくだいしょう)
・プレオルソ
・インビザライン・ファースト
・急速拡大装置
・ヘッドギア

さまざまな矯正装置があり、こどもに適した治療法が選択されます。それぞれ詳しく確認しましょう。

拡大床(かくだいしょう)

拡大床は、レジン製のプレート、ワイヤー、ネジを組み合わせた取り外し可能な矯正装置です。プレートを上顎にフィットさせ、ワイヤーを歯に引っかけて固定します。

埋め込まれたネジを定期的に回すことで、歯列を徐々に外側へ拡張する装置です。食事や歯磨きの際には外せるため、口腔内を清潔に保ちやすく、清掃しやすいことがメリットでしょう。

ただし、拡大床では顎の骨自体を広げることはできません。歯を傾斜させて歯列を広げます。

1日に1215時間の装着を推奨する歯科医院が多いです。

プレオルソ

プレオルソは、柔らかい素材で作られたマウスピース型の矯正装置です。使用する時間は日中12時間と就寝中なので、お子さまへの負担を軽減できます。

主に、こどもの歯並びに影響を与える悪い習慣を改善するために用いられます。具体的には、指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などが挙げられるでしょう。

プレオルソで癖が改善されれば、将来的な歯並びの問題を予防する効果が期待されます。

インビザライン・ファースト

インビザライン・ファーストは、こども向けのマウスピース矯正です。透明なマウスピースを使って、顎の発育をサポートしながら歯並びを整えます。

1日20〜22時間の装着が推奨されていますが、食事や歯磨きの時は取り外し可能です。透明なマウスピースなので、日中学校で装着していても目立ちにくいことがメリットでしょう。

急速拡大装置

急速拡大装置とは、歯列だけでなく上顎の骨の横幅を広げるための装置です。拡大床に比べてワイヤーが太く、強い力をかけることができます。

ネジがついている取り外せないタイプの装置で、短期間で顎の骨を拡大できます。

ヘッドギア

ヘッドギアは、上顎の過剰な成長を抑え、出っ歯を改善するために使用される矯正装置です。上顎の成長を調整することを目的に使用され、フェイスボウ(顔に固定する金属のバー)、上顎の奥歯に取り付けるアタッチメント、頭部や首に装着するヘッドキャップやネックバンドで構成されています。

ヘッドギアを使用する際は、歯科医師の指示に従うことが重要です。一般的には1日に1012時間の装着が推奨されていますが、患者さまによって異なるでしょう。

1期治療は誰でも受けられるわけではない

1期治療は、こどもの歯と顎の成長を利用して行う歯列矯正で、永久歯が生え揃うためのスペースを作ることが主な目的です。1期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期(6〜12歳頃)に行われます。

混合歯列期に治療を始めることで、顎の成長のコントロールや、歯列の拡大を行うことが可能になります。

永久歯がすべて生え揃っている場合、1期治療を開始するには遅すぎるでしょう。すでに永久歯が生え揃っている場合は、成人と同様の矯正治療、つまり2期治療が適切です。2期治療では、歯を移動させて歯並びを改善します。

小児矯正の1期治療のみで歯並びは整う?

歯並びが悪い子供
結論からお伝えすると、1期治療のみで歯並びが整うケースもありますが、多くの場合2期治療も必要となります。

以下のようなケースでは、1期治療のみで歯並びが整うかもしれません。

・骨格に問題がない
・歯並びの乱れが軽度である
・歯のサイズが小さく、並べるためのスペースが十分にある
・悪習癖が改善されて歯並びも整った

ただし、上記のようなケースは稀です。1期治療と2期治療は基本的にセットで行うものと考えたほうがよいでしょう。

2期治療に進んだとしても1期治療を受けるメリットは非常に多いです。

1期治療をするメリット

1期治療を行うメリットは、以下のとおりです。

2期治療での抜歯の可能性が低くなる
2期治療の治療期間が短くなることがある

1期治療を行うことで、永久歯が生えるためのスペースを事前に確保できます。2期治療では抜歯が必要なくなることが多いでしょう。

抜歯を避けることは精神的ストレスの軽減につながります。治療プロセスがシンプルになるため、治療期間が短縮される可能性もあるでしょう。

1期治療によって顎の骨の成長を促すことで、2期治療の期間が短くなる可能性も高いです。歯を並べるためのスペースは確保できており、悪習癖も改善できていることが多いので、大きく歯並びが乱れることは少ないためです。

2期治療が必要なケースとは?

小児矯正の治療
1期治療が終わっても、2期治療が必要となるケースも存在します。

・歯並びがガタガタしたまま
・歯がねじれて生えている
・上下の噛み合わせが悪い

上記のケースでは、2期治療が必要になるかもしれません。1期治療を終えた段階では2期治療の必要性はわからないので、経過を観察しながら2期治療を行うか検討します。

2期治療の治療内容

2期治療の内容は、大人の歯列矯正と同様です。矯正装置は大きくわけて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を移動させる治療です。

マウスピース矯正は、ご自身で取り外せる透明なマウスピースを使用して歯並びを整えます。少しずつ形の異なるマウスピースに定期的に交換しながら、理想の歯並びを目指します。

どちらの方法もメリット・デメリットがあるので、お子さまの歯の状態を確認して適切な治療方法を選択しましょう。

1期治療のみで終わる場合の注意点

1期治療のみで終わる場合の注意点イメージ
1期治療を行っても、完全に理想的な歯並びが実現するわけではありません。顎の発育を促す治療を行っても、永久歯が想定どおりにきれいに生えるとは限らないのです。永久歯がねじれて生える場合もあるでしょう。

そのため、1期治療後も歯並びの状況を定期的にチェックすることが重要です。必要に応じて2期治療へ進むことで、整った歯並びを目指せるでしょう。

まとめ

笑顔の子供
小児矯正には、1期治療と2期治療があります。

1期治療は、永久歯がきれいに生え揃うためのスペースを作ること目的とした治療です。乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(612歳頃)のこどもを対象としています。

1期治療のみで歯並びが整う場合もありますが、基本的に1期治療と2期治療はセットで行います。1期治療を受けることで、2期治療の際の抜歯が不要になる、治療期間を短縮できるなどの効果が期待できるでしょう。

小児矯正を検討されている方は、北九州市小倉北区にある坂口歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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